この用語解説は、本文の説明のために付しました。
一部、加筆したところはありますが、内容はほとんど『表具−和の文化的遺伝子』からの抜粋です。
表具関連の符丁、用語はここに紹介したものの他に、まだまだ多くあります。
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  用語 読み 解説
ヤ行 大和仕立 ヤマトシタテ @《広義》掛物の二大様式の一。大和仕立には仏画と同時的に伝わったとされる「真」、鎌倉時代に伝わったとされる宋朝表具の形式を基につくられた「行」および「草」の3様式がある。さらに、これは真の中で真・行・草、同じく行で真・行・草、草で行・草の計8体の様式に分けられる。A《狭義》広義の大和仕立の中でも、特に〔行の行〕様式を指すことがある。
有職文様 ユウソクモンヨウ 公家の服飾・調度・輿車などに用いられた一連の伝統的文様を指し、他の分野の文様と区別するために便宜上名付けられたもの。この文様群は今日においてもなお愛用され日本文様の基調をなしているといわれることから、表具用裂として専ら織られているものにも多く有職文様が用いられる。
洋額装 ヨウガクソウ 洋額椽に西洋的主題・画法の作品を装着すること。あるいは、これに伴う作品の鑑賞と保存に資するテクニックを含めていうことがある。和額装の対語。
ラ行 ライナー ライナー 洋額装での中縁、あるいは入れ子の呼び名であるが、語義からしてわかるように、特に細いものを特定するときに用いる。たとえばデッサンライナーは多く加飾を伴ったスペイサーの別称として用いる。また、オイルライナーはキャンバスのフカミを確保するために用いる中縁で、一般に見付幅の狭いものを指す。
落款 ラッカン 書画の完成後、作者が作品内に署名して押印したもの。落款とは、落成款識の意で落款落印ともいう。また、本紙に押される印章のうち、署名の下に押す印を特に落款印と呼ぶことがある。→落款印
落款印 ラッカンイン 通例、姓名を刻む白文と雅号を刻む朱文の二顆で構成され、印章の文字は篆書体が原則とされている。白文とは印を押したとき文字の部分が白くなる陰文をいい、逆に朱文とは印を押したときに文字の部分が朱でうつる陽文をいう。通常は姓名が雅号に優先することから白文を上、朱文を下に押すとされる。なお、一顆のみ押されることもあり、このときは主に朱文(陽文)が用いられる。→落款
欄間額 ランマガク 鴨居上などへ掛ける横に長い額を指し、欄間飾りの代わりに小壁(内法長押あるいは鴨居と、天井との間の壁)部分へ取り付けるところからこう呼ぶもの。扁額とも呼ぶ。
利久屏風 リキュウビョウブ 開いて5尺角寸法の屏風。関東ではこれを単に五尺二曲屏風と呼ぶ。なお、関東における利久屏風は、関西物とは異なり5尺(約151.5cm)丈に限らず4尺丈ぐらいまでのものを含め、総仕上幅寸法が仕上丈寸法に比べ約1割方狭いものをいい、関東では利休屏風とも書く。
綸子 リンズ 絹織物で、地を繻子組織とし文様部分を繻子組織の裏側の組織としたもの。緞子も組織はこれと変わらないが、綸子は後練・後染品という点で異なる。綸子は薄く、ほとんど柄が目立たないのだが、地には光沢があり滑らかさを感じさせる織物で、表具用裂としては京綸子と、やや下級品の支那綸子がある。用途は中国の表具で多用されてきたことから、ほとんどが篆書作品あるいは現代中国の書・絵画など中国物への軸装・額装用。むろん文人物にも好適であり、また明朝表具地としても用いる。ちなみに、綸子の製織は明代に盛行し、その技術が日本へは慶長期(1596-1615)に伝えられたという。以降、江戸時代を通じ武家の女性用の小袖や打掛に最高級品としてもてはやされた。
礼場 レイバ 礼場屏風のこと。礼受や年始帳の背障として玄関に立てたことからこの名称があるが、関東にはこの呼び名の屏風はない。なお、礼受とは年始回りで年賀にこられた人の名刺を受けるもの。このように玄関で衝立代りの目隠しとして、あるいは勝手屏風としても用いられる。仕上丈寸法は5尺(約151.5cm)であり利久屏風と同じだが、ただ幅はやや狭くし、仕上幅は椽を含み両扇を拡げて4尺5寸(約136cm)に仕立てることが通例。
聯落 レンオチ 画仙紙全判を縦に裁断し、1/3幅あるいは1/4幅にしたものを聯(レン)というが、この聯をとった残りの2/3幅あるいは3/4幅の大きさの画仙紙をいう。
蓮華唐草 レンゲカラクサ 蓮華をモチーフとした唐草文様。万代に亘る子孫繁栄、あるいは仏教においては法灯の恒久的な連続を示唆する。
蠟色(塗) ロイロ(ヌリ) 漆塗の中で最も工程の多い塗で、漆塗における最上級品。「呂色塗」とも書き、伝統建築や茶道具では黒蠟色塗を「真塗」とも呼んでいる。なお、蠟色とは仕上がった表面が?のような滑らかな肌合いをしていることからの名称。
ワ行 和額 ワガク 一般に、紙貼あるいは縁取した下地へ裏打した本紙を張り付け、これに枠をつけた額。今日では、一般に欄間額と日本画額に2大別できる。なお、和額とは、明治以降に西洋式の額椽が流入し普及するにしたがい、当初は日本相伝のものと区別する必要から生まれた呼称。しかし、次第に洋額の様式を取り入れた額装形式も多くなり、現在では日本画・南画・書など伝統的な画法・筆法による日本的主題の本紙を額装したものが和額と総称されることがある。したがって、今日では和額とは様式に与えられた名称でなく、本紙内容によって区別するための語ともなっている。
和額装 ワガクソウ 従来の表装技術を伴う額装をいう。洋額装の対語。

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