この用語解説は、本文の説明のために付しました。
一部、加筆したところはありますが、内容はほとんど『表具−和の文化的遺伝子』からの抜粋です。
表具関連の符丁、用語はここに紹介したものの他に、まだまだ多くあります。
もう少し詳しくお知りになりたい方、また表具にご興味のある方は、
『表具−和の文化的遺伝子』をファックスかお電話にて、当社へお申し込み下さい。メールでも結構です。
本書は、まだ多少の在庫がございます。

ア行カ行サ行タ行ナ行ハ行マ行ヤ行ラ行ワ行

  用語 読み 解説
マ行 枕屏風 マクラビョウブ 名称からわかるように枕許に立てる、二曲で横長の屏風をいう。そもそも防寒・防風の必要性から自然に生れた什器であり、定寸法はない。なお、枕屏風はもともと六曲一双でつくられた白貼屏風の呼称で、これは死者が出たときに用いる屏風である。また、臨終行儀に使用される屏風もこう呼ばれることがある。ところで、かつては二曲に限らず、丈の低いものをすべて枕屏風と呼んだ。これらも枕許で使用したものであったからであろう。
まくり マクリ 未表具の本紙のこと。襖や屏風などの上貼紙を剥がしたものを指すこともある。
マット マット 作品とフレームの間に位置させる、鑑賞と保存に資するための部位の名称。鑑賞面でいえば、この部位に配した紙や布などの色目・テクスチャによって鑑賞の助けとすることができる。保存面でいえば、作品と透明ダストカバーとを密着させないことによって、作品の劣化を減ずる、またフレームとの距離を置くことによって結露や落下事故などから作品を守ることができる、という役割を果たす。素材と役割によって2種類ある。@多くは布貼りを行う、厚い作品に適したマット。和額装でいう中縁の呼び名。これは中子・中板・中枠・ライナーなどと呼ぶこともある。A多くは板紙であり、作品のイメージサイズにあわせて窓抜きするもの。デッサンや水彩画など、薄物作品に適している。
丸表具 マルヒョウグ 文人仕立の代表的な様式。真の仕立の中廻し・風帯のない形で、本紙周り(一文字を付けるときは一文字を含めた本紙周り)に筋を入れるもの。今日では、袋表具ともいう。
見込 ミコミ 部材の奥行きの面(側面)、あるいは幅のこと。→見付
見付 ミツケ 枠や框など部材の正面に見える面、あるいは幅のこと。ミツキともいい、また古くは「見表」と呼んだ。→見込
三椏 ミツマタ 和紙の三大原料の一。三椏は沈丁花科の落葉低木で、苗を植えてから2年毎に収穫できる。この三椏から得る繊維は柔軟で細く光沢があり、防虫性・印刷適性に優れており、沈丁花科の香りの強い植物が多く香木として用いられるように、雁皮と同様、三椏には防虫効果がある。しかし、楮と比較するとその剛性は劣り、強度を求める際には楮繊維と混和して漉くことがある。
見廻し ミマワシ 天地・左右を同寸法にして取り囲むこと。
明朝 ミンチョウ 八双から軸木まで、掛物本体の竪の外縁部を細く飾るもの。明朝を施したものは明朝仕立と呼ばれる。→明朝仕立
明朝仕立て ミンチョウシタテ 掛物において明朝を付けた仕立で、文人仕立特有の補助様式。異なる表具地を付ける一般的なものの他に、表具地を筋で割って明朝を表現する「筋割明朝」、柱幅で明朝を表現する「太明朝」がある。なお、名称の由来は、中国の明朝代(1368-1644)に流行したからとされる。
虫喰 ムシクイ 金物の伝統的な加飾法の一。金槌で叩いた痕を模様にする非定形で、古美表現を担うもの。
面金 メンキン 主に中縁(マット)と本紙との間へ取り付ける、金箔押しなどを施した小縁(小枠)。面金には、金(銀)箔押しだけでなく金(銀)粉仕上げや、その他さまざまな色に塗装するもの、あるいは裂など表具地を貼るものがある。
モールディング モールディング 額用に成形され塗装が施された長い棹状の椽。あるいは、これを必要分切り遣いし四方留で仕上げる額。したがって、オーダーメイドと既製椽の中間的な役割を果たすことができる。「ピクチュアーモールディング」とも呼び、「棹椽」ともいう。ちなみに、モールド(mold)とは型を意味し、モールディング(molding)とは元来、繰形模様の施された建築部分、あるいは棒状の造作用材を指す。

ア行カ行サ行タ行ナ行ハ行マ行ヤ行ラ行ワ行

このページを閉じる