2018.05.22
清華堂のふるまい学
「床の間」について考える1

皆様のご自宅に床の間はありますでしょうか。

今に始まったことではありませんが、どんどんと床の間のない家が増えています。

床の間を考える上で着目したい点は、その「固定性」です。

ゆったりとした余白があり、ゆとりもあり、掛軸一幅を愛でるのに十分な容積が床の間にはあります。

その床の間が部屋に固定化していることが、現代のライフスタイルには合っていないのかもしれません。

例えば、庭について。本格的な庭も床の間と同様に減少傾向にあります。

しかし、植栽はどうでしょう。

今の現代建築には欠かせないほど、インテリアには鉢植えされた植栽が、しかも多数に部屋の内外に散らばっています。

これは固定化された庭が解体され、軽くパーソナルな存在に形を変えているように見えます。

この床の間の「固定性」を紐解けば、少しそのあり方が見えてくるかもしれません。

●「床の間」について考える2へ続く